散歩道<4547>
経済気象台(668)・法人税のあり方
本年度予算の歳入不足は44兆円に達した。主たる要因は社会保障関係費の増加と税収の減少である。税収の中でも、特にここ2、3年は法人税の減少が目立っている。過去最高を記録した1989年度の19兆円に比べ、本年度は7.8兆円にとどまっている。
この要因には、累次の法人税率の引き下げが挙げられる。例えば、88年の42%は99年には30%になった。さらにリーマン・ショック以降の企業収益の低迷も影響している。これだけ法人税収が変動すると歳入は大きく振れ、安定的な財政維持は難しくなる。
そこで、考え方を変えてはどうか。現在の法人税は企業収益に課税する、従って、赤字法人に対しては課税ゼロであり、黒字法人でも繰越欠損が存在する場合は、7年間に限り課税は免れる。
そもそも企業活動は限りある地球資源を費消して行なわれている。その費消コストを法人税として負担すべきである。当然ながら企業収益が黒か赤かは問わない。法人税の支払いが企業の最大のCSR(企業の社会的責任)である。業種によって基準は異なるが、企業規模に応じて負担する外形標準課税的な性格にすべきではなかろうか。
ただ、こうした税制を日本だけが採用すると、企業の海外シフトを懸念する声が出てくる。そうした概念を払拭(ふっしょく)するためにも、G8やG20の場で日本が提起し、海外の国税当局と連携して実施することが必要である。欧米各国とも財政事情は厳しく、法人税収の増加策に異論はあるまい。
法人税の引き下げ競争は無意味で、まるで「近隣窮乏化策だ。これを止めるため、各国税当局が一致協力すべき時であろう。