散歩道<4544>
私の視点・日本の復興
「成長」を世界の手本に(1) (1)〜(2)続く
世界的なシンクタンクのローマクラブは1972年、「成長の限界」と題した報告書をまとめ、世界に衝撃を与えた。人口増加や環境破壊がこのまま続けば、資源の枯渇などで、人類の成長は限界に達すると警鐘をならし、地球が無限であることを前提にした経済のありかたを見直すよう迫るものだからだ。
その後、資源の枯渇は避けられ、各国の成長が止まることもなかった。が、地球温暖化などの環境危機はより深刻になった。そこで私たちは2008年以降、研究活動を強化する中で「新経済学」という考え方を打ち出した。つまり、これまでよりもっと犠牲や損失という「コスト」を考慮に入れ、持続可能な経済成長を考えようというものだ。例えば、森林伐採。経済活動のうえでは素材や燃料として役立つものの、二酸化炭素の吸収源を失い、温暖化に拍車をかけるという面から見ると損失になる。原子力発電だって、経済にプラスのエネルギー源としてみるだけでなく、建設や解体、廃炉のコストまで加えてみなければならない。途上国では人口が膨らむ一方で、失業や貧困の犠牲者も増えている。
'11.10.3.朝日新聞・ローマクラブ事務局長・元世界銀行副総裁・イアン・ジョンソン
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