散歩道<4543>
                            
                                風・ブータンからGNPよりも 
                                  
誰もが幸せ 感じられるように(3)               (1)〜(3)続く

  経済成長や近代化は、幸せをもたらす必要条件だ。14歳の自助からは、家の建て替えや新車の購入をせがまれるといい、物質的な満足度にも個人差や世代間の違いがある。ただ、幸せの要素の一つでしかない。それよりも重要なのが家族や地域社会の強い絆だ。幸福感を高めるため、大きな役割りを果たしている。
 ブータンを離れる前日、代表的な知識人でベテランジャナリストのキンレイ・ドルジ氏と会った。他の途上国と同様、ブータンも多くの問題を抱えると指摘する。失業、貧困、伝統文化の喪失・・・。
 「GNHは人々の幸せを保証するものではない」と話す。
 幸せは個人によって受け止め方や感じ方が異なる。大切なことは、各人が幸せを感じられる環境を整えることだと言う。「それが国の仕事。GNHを唱えるということは、政府が責任を果たすと約束したということに他ならない」
 人口70万人の小国から日本が学べることは少なからずありそうだ。最低、その気概だけでも。

'11.10.3.朝日新聞・アジア総局長・藤谷 健氏

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