散歩道<4532>
時事小言・戦争に踏み切るとき(2) (1)〜(4)続く
見つからない綺麗な答え
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そのうちに、多くの人は戦争の是非には興味がないことに気がついた。戦争は政策の手段だ、いいも悪いもないという議論なら、イラク介入は石油目当てだなどという真相の名の下の単純化は気になるけれど、理解はできる。戦争をすべて悪とするなら迷いもないだろう。だが多くの議論は、アメリカの始めた戦争に日本政府が賛成すべきかどうかだけを問い、その戦争は必要なのか、避けられないのかという議論は見られなかった。
そこにあったのは、良かろうと悪かろうとアメりカについていくほかはないという議論と、アメリカは何をしようといつも横暴だという議論のどちらかだけ。アメリカはいつも横暴だけどついて行くのが日本に有利だという変形版はあったけど、戦争一般ではなくこの具体的な戦争について是非を検討する議論は乏しかった。
イラク戦争は要らない戦争、戦ってはならない戦争であったといまでもわたしは考える。だが同時に、武力に訴えることを避けてはならない状況もあるとも考える。多大の犠牲を払う以上、戦争以外の手段を常に模索すべきことはいうまでもない、だが、多くの一般市民の生命が現実に脅かされるとき、武力行使が必要となる状況もある。
'11.9.21.朝日新聞・東京大学・国際政治学者・藤原 帰一氏
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