散歩道<.4526>                       

                                記者有論・ドル没落(1)                       (1)〜(2)
                                世界通貨の創出を語ろう

 米ドルの没落が、世界と日本を揺さぶり続けている。この危機を越える究極の策は、グローバル化の時代にふさわしい世界通貨を人類の英知で作り出すことだ。
 ドル没落は、起こるべくして起きた。かって英ポンドがそうだったように、ドルが基軸通貨でありえたのは、世界経済の中心国としての圧倒的な強さの反映だ。パックス・アメリカーナ(米国の力による平和)とドル体制は一体のものであった。
 ところが欧州連合(EU)の誕生に続き、BRICsと呼ばれる中国、インドなどの台頭で世界経済は多極化の時代を迎えた。一国の通貨が基軸通貨であり続ける条件が失われつつあるのだ。
 米系企業主導のグローバリゼーションがこのような変化を促進したことは、歴史の逆説とも言えようか。

'11.8.13.朝日新聞・編集委員・小此木 潔氏

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