
散歩道<.4523>
時の回廊下・丸谷才一「たった一人の反乱」(1) (1)〜(3)続く
純文学の戒律にあらがう 右は京大桂阪キャンパス物理学部
素朴よりは趣向、涙と感傷よりは笑いと知性、孤独よりは社交、雄大荘重よりは優雅洒脱(しゃだつ)・・・。詩人の大岡信が
指摘した丸谷才一の志向性が長編小説として結実したのが『たった一人の反乱』(講談社・1972年)だった。イギリス文学に
学び、社会風俗を取り込んだ知的な構成の作品は、憂鬱(ゆううつ)な私小説が支配的だった日本文学への厳しい批評でもあった。
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小説は前の長編に対する自己批評から始まる。「たった一人の反乱」の6年前に発表した長編『笹さまくら』は、徴兵忌避者だった
大学職員による逃亡時代の回想で、書いていてつらくてしょうがなかった。こういう悲しい小説は当分書くのはよそう。もっと楽しい
小説を書きたいと思っていた。 もう少し言えば、日本純文学の世界の書き方のおきてとしてある「純文学的戒律」、大真面目で、深刻ぶった。俗でないものという考えが嫌いだった '11.8.31.朝日新聞 ・丸谷才一氏
関連記事:散歩道<検>氏名・丸谷才一174.216.1273.1512.2725.、<検>氏名・漱石65.879.1621.3287.
備考:'11.10.26.丸谷才一さんが文化勲章を受けることになった。お目でとうございます。!
備考:'11.11.3.文化勲章親授式が皇居・宮殿で行われた。.この席で天皇陛下は「皆さん、学門、芸術で大きな成果を収められ、文化の向上に尽くされたことを誠に嬉しく思います」言われた。丸谷さんは受章式、式典後「学問も芸術も面白がることが大事」と語られたそうだ。2011年11月5日