散歩道<4517>
社説・テロ後10年の米国
武力超え,協調の大国へ(5) (1)〜(5)続く
失われた多くの命
米国の単独行動主義は、同盟国との関係もゆがめた。日本は小泉首相がイラク戦争を支持して自衛隊を送った。だが大義なき戦争に同調したことは、日米関係を深いところで傷つけた。
民主主義の旗手としての米国への共感はすっかり薄れ、「米国追随」という反発を日本内に呼んだ。
米国が力を過信し、その価値観を世界に押し付けようとした10年は失敗に終わった。米国は今後も突出した大国だが、世界の一員として新たな役割りを見いださなければならない。
対テロ戦争に疲れた米国内には、対外的な負担から手を引くべきだという声も出ている。米国が各国の事情を認めて請協調することは望ましい。
重い役割り変わらず
だが、大国が自分の地域以外の安定や民主化を求める動きに無関心になれば、世界は混乱しかねない。安定した秩序の軸を失ってはいけない。
戦争で押さえ込むのではなく、価値観が異なる世界に住む人々とも真剣に対話して、テロがない世界の実現を目指す。それが米国のこれからとるべき道だ。
'11.9.10.朝日新聞
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