散歩道<4506>
時事小言・新たな核廃絶構想(1) (1)〜(3)続く
核に頼らぬ安定 探る時
8月は平和を語る季節だ。なかでも広島と長崎に原爆が投下された6日と9日、核兵器廃絶への願いが繰り返し語られてきた。では、核廃絶はどうすれば実現できるのだろうか。
まず、核兵器が実際に減ってきたことを確認しておこう。米ソ冷戦の下では核弾頭の総数が6万を越えていたが、米ソ冷戦の終結を受けて、その廃棄が進められてきた。1991年に調印された第1次兵器削減条約(START1)によって両国の核弾頭は6千以下とすることが合意され、その後の交渉を経て、現在では米ロ両国で実戦配備された核弾頭は合計5千以下、総数でも2万に減っている。核削減は不可能だという議論は、現実から離れたものに過ぎない。
また、核廃絶に向けた新たな動きが始まっていることも見逃せない。2002年のモスクワ条約以後、米ロ両国による核削減は停滞を迎えていたが、オバマ政権発足を受けて核軍縮への努力が再開され、11年2月には新たな戦略兵器削減条約(新START)が発行したからだ。その間には09年4月のプラハ演説でオバマ大統領が、さらに10年8月には広島における演説で藩基文(パンギムン)国連事務総長が、それぞれ将来の核廃絶を訴えた。核廃絶は、かって広島と長崎に原爆を投下したアメリカ政府も含め、次第に受けいられつつある考え方となっている。
'11.7.20.朝日新聞・東京大学教授・藤原 帰一氏(国際政治学者)
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