散歩道<4493>
社説・本社「ニッポン前へ委員会」提言・土地所有見直しを(3) (1)〜(3)続く 定期借地権・被災者は現金使わず内陸に宅地
被災地土地を自治体に貸した住民は,代わりに面積はやや狭くなるだろうが内陸の土地を借りられる。現金を支出せずに宅地を手にできるわけだ。大半の被災土地は、自治体が住民等と出資する「まちづくり会社」(土地開発公社より、ガバナンスが明確な株式会社)が借り、特産品加工や集客交流などの事業を行い、収益から自治体に土地の賃料を払う。
これらは地域側の発意で可能だ。震災復興特区を申請すれば、手続きの時間も減らせる。大きな町だけでなく、集落単位、浜単位での実践も期待される。先行事例が生まれれば、国や専門家も支援を惜しまないだろう。
そもそも、住宅や土地資産を保有する人には、果たすべき社会的責任がある。それは住宅や土地の「外部性」を考慮することだ。「外部性」とは土地の利用の仕方が、直接的に周りの土地の価値に影響を与える効果のことを言う。
たとえば、駅前のシャッターを閉めた商店は、その土地だけでなく、駅前商店街の価値、そして地域全体の土地の価値を下げる。しかし、その損害の全てを当人が負担するわけわけではない。
復興の過程でも、自分の土地だから好きに利用する権利があるという考え方が強ければ、シャッター街と同様のことが起きるだろう。
確かに、私的所有権の保護を重視するのは、資本主義国では重要であり、土地の一括借り上げには、多くの人に大きな抵抗がある。だが、土地には「外部性」があることを、私たちが認識できれば、土地の借り入れへの考えも変わるのではないか。
'11.8.8.朝日新聞・代表・大阪大教授・大竹文雄氏、日本政策投資銀行参事役・藻谷浩介氏
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