散歩道<4491>

                       社説・本社「ニッポン前へ委員会」提言・土地所有見直しを(1)                       (1)〜(3)続く
                           私権一部制限・自治体が土地を借り上げ

 朝日新聞社の「ニッポン前へ委員会」は7日、土地所有のありを見直す提言をまとめた。@津波被災地の住宅移転を進めるため、自治体による定期借地権を設定しやすくし、土地の公共利用を促すA震災復興という「公共の福祉」を目的とする場合には、所有権を一部制限する可能性もありうるという内容だ。
 政府は被災者の集団移転を目標に掲げているが、進展していない。この現状について、委員会では、「土地所有権の壁」を指摘する声が続出した。そして本来、土地は公共的なものであるとの観点から「戦後日本で極めて強かった土地所有権を根本から見直し、震災復興のためには何らかの形で私権を制限する方策を検討すべきだ」との見解で一致した。
 具体策としては、自治体が契約期限を区切って借り上げる「定期借地権」を設定しやすくして、土地の公共利用を優先できるようにする。たとえば、所有者の一定割合以上の同意で設定できたり、所有者の分からない土地も、いったん自治体が借りて賃料を供託できたりする。
 このための法律を議員立法などでつくり、採用したい自治体から順次、実施すべきだとした。
 議論では、全国的な土地問題として、空き店舗などが商店街だけでなく周辺の資産価値も下げている現実への懸念を全委員が共有していた。そこで再活用を図るには、固定資産税や相続税を抜本的に改め、所有地を資産価値相応に利用しないと、所有者が損をする仕組みの必要性も確認した。
                         

'11.8.8.朝日新聞・代表・大阪大教授・大竹文雄氏、日本政策投資銀行参事役・藻谷浩介氏

関連記事:散歩道<60>中国の土地所有権の問題、<195>社会の活性化・公共工事の問題、<検>災害、