散歩道<4488>
ザ・コラム・オピニオン・ 福島の意味
事故向き合い生きる覚悟(4) (1)〜(4)続く
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社会や経済の多くの領域で消える見通しのない「スティグマ」を背負うことになった日本。原発事故は「起きた」というより、「起きている」という方が正確かもしれない。メルトダウンした燃料の最終処分まで考えれば、今後も数十年、あるいは100年以上続く。そんな事故原発を抱えながら、仮にまたどこかで事故が起きたら、日本は耐えられるだろうか。あの日から私たちは瀬戸際にある。それが現実だ。
「福島の事故の意味をきちんととらえ直さなければ」と自民党のエネルギー政策議員連盟事務局長の柴山昌彦衆議院議員はいう。原発を国策として推進してきた自民党で党内世論を変えようとしている一人。「原発の有用性が、そのデメリットを上回るといわれてきたが状況は一変した」脱原発について、できるかどうかから検討するというのでは、まるで3月11日の事故が起きなかったようではないか。冒頭の二つの問いに戻るなら、まず@について覚悟を決め、Aが突きつける課題に挑む。福島の事故は、考え方もそんな風に「一変」させるよう迫っている。
'11.8.6.朝日新聞・オピニオン編集長 大野 博人氏
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