散歩道<4480>
                            オピニオン
・ 政治時評2011被災地の希望を、どうよみがえらせるのか
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宇野  希望を与えるのではなく、地域の希望をどうかなえるか、サポートできるか。政治にはそれが問われているのでしょう。玄田さんは東日本大震災復興構想会議の検討部会の委員として復興の提言づくりにも関わりました。
玄田 本丸は「土地」と「雇用」だと感じていました。専門の雇用については、被災地が生活保護の多発地帯にならないよう、具体的な提案をしようと努めました。土地については、利用できるところは限られ、利害も絡み合うなかで、どう利用するのが望ましいのか。「所有」を優先するこ考えから、皆で「利用」することを優先する仕組みにどう転換するかがカギになる。国は被災した土地を買い取るなどと軽々に言うべきではない。安易な希望を被災者に与えてはいけない。土地の利用が進まない「復興放棄地」が被災地にあふれるだけです。
宇野 所有権にこだわると、かえって状況を克服できないということですね。「災害ユートピア」ではないですが、災害が起きた後には互いに奪い合うのではなく、人の役に立ちたいという利他精神が出てくる例が多いようです。

'11.7.23.朝日新聞 対談・希望学提唱者・東大教授・玄田 有史氏、ホスト東大教授・宇野 重規氏、

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備考:希望学:2005年東京大学社会科学研究所が中心となって始めた新しい学問。「希望学を社会科学する」として希望の社会学的意味や、希望が育まれる社会的な条件を考察しようとしている。経済学、社会がく、政治学、法学、歴史学、哲学などの分野を総動員するプロジェクトとして進められ、玄田 有史氏、宇野 重規氏は発足時からのメンバー