散歩道<4471>
オピニオン・インタビユー・知識人とは
3・11後は国超え市民が連帯築き命と正義を基盤に (5) (1)〜(5)続く
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・・・国際政治における核の問題を考えてきた学者として、原発事故をどう考えていますか。
「3月11日は、私たちが持つ核問題の意識を変えました。冷戦時代には、米ソの全面戦争と人類の破滅というグローバルな脅威が消えず、ある日、一瞬にして私たちの日常生活を無にしてしまう『非日常的な破局』が迫っていました。冷戦が終わってからは、グローバリゼーションの下で。カネ、ヒト、モノ、情報が国境を超える平時の流れの中で、原発は『豊かな日常性』の支えだという宣伝を信じがちでした。3月11日を機に事態は一変し、被災者の苦難はもとより、圏外でも毎日の節電、工場の操業時間の制限、食の安全、子供の健康など、『不安の日常化』が生活の底流となりました。世界の反応をみても、これは国境を超えるグローバルな脅威だと身にしみて意識されることになりました」
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・・・では、この危機を受けて、新しい市民的知識人は、何を考えるべきなのでしょうか。
「原発が世界中に林立したらどうなるのでしょうか。原発は自国中心の極度に人工的な発電装置ですが、いくつもの国が事故を起こすことになれば、影響は国境を超えて、地球を居住不能な廃墟と化する危険があります。原発は国家のプロジェクトでありながら、制御不能になると、その国家ばかりでなく、国家間・領土間の境界を無意味にするのです。今回の原発事故で私たちがあらためて自覚したのは、原子力が人類の生死に関わること、そして『ひとつの地球』という動かしがたい事実です。地球上のすべての命とグローバルな正義を基盤として考えねばならない時です」
'11.7.20.朝日新聞・国際政治学者・坂本義和さん
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