散歩道<4448>
時事小言・首相退陣と民主主義
緊急の課題を見誤るな(3) (1)〜(4)続く
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ここに注目して、菅首相の退陣によって大連立と、これまでにない政治の安定が実現できると期待する声もある。さて、そうなるだろうか。
まず、与野党の大連立は有権者による選択の機会を奪う危険がある。民主・自民ともに内政でも外交でも異なる政策を掲げる勢力を内部に抱えているが、大連立はそれをさらに加速し、政策によって政党を選ぶ意味が失われるからだ。選挙は別だといえばそれまでだが、選挙までは大連立を組み、選挙になると政策を争う政党にはどんな意味があるのだろう。
そもそも、小選挙区制のもとで大連立を実現することは難しい。与野党ともに次の選挙を目指す前職議員を選挙区に抱えるため、大連立は政党内部にも軋轢(あつれき)をもたらすからだ。政党の凝集力が強ければその対立を乗り切ることも出来るが、民主・自民両党とも、その力を持っているとは考えられない。
民主・自民だけで衆参両院の多数を占めることができることから、社民党や公明党など、これまでの連立のパートナーが敵に回る可能性もある。
'11.6.22.朝日新聞・東京大学・藤原 帰一氏
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