散歩道<4449>
時事小言・首相退陣と民主主義
緊急の課題を見誤るな(4) (1)〜(4)続く
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結局、大連立なしに菅首相は退陣し、新政権を迎えるだろう。最低限の与野党合意はできるだろうが、それによって生まれた新政権も短期間のうちに「ねじれ国会」の運営で行き詰まり、新首相の辞任が日本のためだという主張が再び新聞やテレビをにぎわせる。悲劇的には違いないが、可能性の高いシナリオだと私は思う。
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東日本大震災と原発事故が未曾有の危機であることは間違いない。国家的な危機を前にして与野党が国会で詰(なじ)りあうのでは仕方がないのもその通りだ。だがそこで必要となるのは首相を引きずり降ろすことでも大連立でもない。必要なのは、政党の別を超え、緊急に対処すべき課題に対しては超党派で立ち臨むことである。復興財源やエネルギー政策については超党派の合意を得ることは難しいが、その困難のために、緊急課題である震災復興計画の決定や操業中の原発の安全確認が遅れることがあってはならない。
超党派で緊急の課題に取り組むべきときに首相退陣を求め、大連立の名の下で権力闘争と合従連衡を模索する。何をやってるんだ。そう思わずにはいられない。
'11.6.22.朝日新聞・東京大学・藤原 帰一氏
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