散歩道<4429>
   

                 文化・定義集・大江健三郎・核の時代の混乱と霧どこへ
                      あいまいなまま続けさせるな(3)                 (1)〜(3)続く

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  そして福島原発で、チェルノブイリと同じ大きさの事故が起こったのです。直後には、原発を推進してきた自民党の総裁も、それを続けるのは難しい状況だ、と言明しました。ところが一週間たつとかれは軌道を修正しています。「安定的な電力供給が出来ないと製造業などが維持できるのかという問題もある」。五月五日の本紙は、『早くも「原発維持」に向けた動きが始まった。原発推進派の議員が集まり、新しい政策会議を発足。「反原発」の世論に対抗する狙いだ。』と報道しています。
 それに対して六日には菅首相の浜岡原発の全停止要請があり、正当な判断だと思いました。しかし、「30年以内にマグニチュード(M)8程度の地震が発生する可能性が87%という数字も示されている」という浜岡に特有のケースの強調に、あらためてゾッとしながら、もう一つ別の懸念も湧いたのです。すぐ八日に首相は、浜岡以外の原発に向けての要請はないこと、「脱原発」路線には踏み込まないことを表明しました。
 福島原発へ続いたチェルノブイリの悲惨は、高木氏の憂えた核の時代の混乱と霧をそのままに、私らの受けつぐところとなるでしょうか?私の終わりの近い文筆生活で、いまでも国の内外で引用される言葉は「あいまいな日本の私」ですが、まだ収束もおぼつかないのにフクシマを過去の出来事とし、これまでの原子力計画を続けるとすれば、そのあいまいな日本の、次の私たちに、はたして未来はあるのでしょうか?


'11.5.18.朝日新聞

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備考:散歩道<4429>は、2001.10.1.(
平成13年)スタート以来、4.380 回(実質)、(1年365日×12年(干支)=4.380通@書きました。 会社員時代に書いた回数は、37年間で1年36通×37年=1332通A 、@+A=5712通になります。 2011年6月19日 2011年6月22日