散歩道<4417>

                           私の視点・被災者支援
                             
多様な専門家の協力必要(1)                   (1)〜(2)続く

 私と塩崎賢明・神戸大工学部教授が共同代表をつてめる「阪神・淡路まちづくり支援機構付属研究会」は、4月29日からの6日間、釜石、陸前高田、仙台、福島、いわきの避難所などワンパック専門家相談をボランティアで実施した。原子力物理学者、放射線医学者、神経内科医、建築・住宅・震災復興・まちづくり・都市計画の研究者やコンサルタント、建築士、弁護士、税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、司法書士の総勢38人が相談にあたるものだ。
 専門家は誇り高いが、被災者の立場から見ると1つの専門家の「専門」はせまく、総合的な悩みにその場で直ちには対応してくれないと感じることが多い阪神大震災の際の活動で、わたしたちはそのことを痛いほど自覚している。
 東日本大震災の規模、津波・原発問題を含む複合性からして、専門家のワンパックでの行動が求められている。今回実際によせられた相談事例からもそのことは明らかだ。例えば、地震や津波による賃借家屋の被害認定(地盤沈下・液状化もふくむ)の妥当性と借家権存続可否の判断、罹災証明との関連の相談には建築士、弁護士、司法書士が同席する必要がある。

'11.6.10.朝日新聞・立命館大教授・斉藤 浩氏

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