散歩道<4407>
耕論・オピニオン・脱原発
理想だが技術が及ばず(1) (1)〜(2)続く
私は政治家になる前,商社で石油の仕事をしていました。当時はいま以上に、日本のエネルギー事情が産油国の政情に左右されました。経済成長を目指すなら、エネルギー資源を多様化するのは日本の宿命、ということをつくずく感じました。原子力もその宿命の下での、やむおう得ざる選択だったと思います。
環境に影響がなく危険のないエネルギーですべて賄う、というのは理想です。でも残念ながら、いまの科学技術はそれだけの水準には達していません。
私は松山市長時代に、太陽光発電に自治体独自の助成金を出すなど力をいれました。現在、松山市内ではメガソーラ発電所の建設が進められていますが、7万平方b近くの土地に太陽光パネルを敷き詰めても、予定出力は4300`ワットに過ぎません。一方、原子力発電は標準的な原子炉1基で100万`ワットです。現段階で太陽光発電は、量的には一気に問題を解決する代替エネルギーになり得ていません。
長期的に脱原発を目指すことに反対しませんが、今は現実を見極めながら取り組んでいく必要があるでしょう。
私は政治家としてずっと「原発は危険と隣り合せのもの」と言い続けてきました。だから、こそ、それをどう克服するかが人間の知恵、科学力であると位置付けています。
'11.5.10.朝日新聞、愛媛県知事・中村 時広さん
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