散歩道<4378>
耕論・オピニオン・原子力村
実は縦割り異論許さず(2) (1)〜(2)続く
福島第一の事故検証は、政府が事故調査特別委員会の設置を表明したが、原子力分野の専門家を国内だけでなく海外からも集めるべきだ。国際原子力機関、できれば米原子力規制委員会からも来てもらう。日本人だけでは客観性が保てない。
今後は、安全行政の再編が必要だ。原子力安全委員会と保安院を統合し、より強い権限を与えて独立させる。その下に1千人の専門家を抱える研究機関を持ってくる。原子力関係者どうしでチェックできるのかと言われるが、だからこそ独立した組織にしなくてはいけない。
「原子力屋」の1番よくないのは、考え方が固定化していることだ。高速増殖炉で核燃料サイクルをやるというのは40年以上前に決ったことで、世界の潮流は完全に変わっているのに、今でもしがみついている。私が原子力委員会にいる時、高速増殖炉は難しい、もっと足元を固めて研究してはどうかと書いたら、ものすごい攻撃を受けた。まさに村社会で、異論を許さない。
日本では、原子力への異論が「すぐに原発を全廃」という極端な意見になりがちだ。そのため、原子力関係者が失敗を認めにくい状況になっている。安全無欠な技術はないが、そのことを世間に言えないから、ますます村社会になってしまう。原子力村の問題は、日本社会全体の問題でもあると思う。
'11.5.20.朝日新聞・前原子力委員長代理・田中 俊一さん
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