散歩道<4373>  

                          耕論・オピニオン・3・11復興考
                          漁業の開放と施設集約を(3)                (1)〜(3)

 漁業権の売買が出来るようになると、不動産や自動車と同じく資産価値を持つことになるので、被災地域への民間資金の投資や金融機関の融資が誘発される。公的資金だけに頼る必要がなくなり、地域が一体となった水産業の活性化に大きく貢献するだろう。
 また、小規模な漁村と漁港を集約的に整備し、その漁港に船を置き、職住の分離を図る。高台などに公営住宅を建設し、希望者に提供する。水揚げ岸壁や市場、後背地の加工団地も、漁業と一体の計画の下で整備すればいい。
 船を失った漁業者は当面、残った船を共同使用するしかないだろう。その場合は漁協を通してではなく、漁業者が自発的に集まって共同使用するという形が望ましい。漁協が入ると、どうしても自由な活動が制約されてしまう。
 将来的には、船を共同使用する3〜4人の漁業者が、自分たちを法人化するという動きにつなえたい。いわば漁業における起業だ。漁業者に自立の精神を情勢していくことが何よりも大切だと思う。
 大震災を機に、50年先を見据えた新たな水産業づくりに着手すべきだ。それが私たちの世代の責任であり、義務である。

'11.5.19.朝日新聞・政策研究大学院教授・小松 正之さん 

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