散歩道<4368>
耕論・オピニオン・3・11復興考
ものづくりをエンジンに(1) (1)〜(3)
東北とは企業調査や産業振興のお手伝いなどで、長い付け合いがあります。震災当日も岩手県釜石市にいました。地元の女性起業家を集めたセミナーの直前です。みんなで高台に逃げて津波からは無事でしたが、市内はがれきの山で動けません。山中を歩き、病院でカーテンにくるまって寝ました。
復興の役に立とうと、4月下旬〜5月中旬に三陸沿岸の被災地25カ所を歩きました。力のある中小企業はすごいですよ。全国から支援が集まり、まさに「寄ってたかって」工場や設備を直していた。私が知る若手の経営者たちは、北海道から鹿児島までネットワークをつくつていて、人を送りこんだり機器を提供したりしています。早いところは「1週間で復旧させた」と言っていました。
「支援受注」というものもあります。仕事の肩代わりです。東北の工場が被災した、東京や大阪のデパートに納入できない、このままでは他社に取られてしまう、そこで九州の知り合いの会社に頼んで、代わりに作ってもらった、というわけです。社長は「遠くの会社だから頼めた。近かったら(ライバルだから)無理」と言っていました。互いに人柄も設備も知っている付き合いを日頃から作っていたことがよかった。
'11.5.19.朝日新聞・一橋大名誉教授・関 満博さん
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