散歩道<4364>
オピニオン・インタビユー・原発事故の正体
産業界や専門家に判断独占させず 市民の関与すすめよ(6) (1)〜(6)続く
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・・・制御不能なリスクは退けなければいけないといっても、これまでそれを受け入れてきた政治家たちに期待できるでしょうか。
「ドイツには環境問題について強い市民社会、市民運動があります。緑の党もそこから生まれました。近代テクノロジーがもたらす問題を広く見える形にするには民主主義が必要だけれど、市民運動がないと、産業界と政府の間に強い直接的な結びつきができる。そこには市民は不在で透明性に欠け、意思決定は両者の密接な連携のものに行われてしまいます。しかし、市民社会が関われば、政治を開放できます」
「ドイツのメルケル首相は、温暖化問題の解悦には原子力は必要だと考えていました。しかし、福島の事故で、彼女は自分が産業界のとらわれ人であったと感じたのではないでしょうか。彼女は初めて市民運動の主張をまじめに考えなければならなくなり、委員会を作り、公に議論する場を設けた。産業界とは摩擦が起きるでしょう。しかし、これは政治を再活性化し、テクノロジーを民主化します」
「産業界や専門家たちにいかにして責任を持たせられるか。いかにして透明に出来るか。いかにして市民参加を組織できるか。そこがポイントです。産業界や技術的な専門家は今まで、何がリスクで何がリスクではないのか。決定する権限を独占してきた。彼らは普通の市民がそこに関与するのを望まなかった」
・・・・日本でも「原子力村」と呼ばれる閉鎖的なサークルへの批判が起きています。
「ドイツでも80年代まではそうでした。しかし、その後変わっていった。こういうときは、世界に自らを開き、もっと強力し合わなければなりません。グローバル時代には、どんな国の国民も、これらの問題を自分たちだけでは解決できません」
'11.5.13.朝日新聞・社会学者・ウイルリッヒ・ベックさん
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