散歩道<4358>                    
         
                              記者有論・原発交付金 
                                 
「毒まんじゅう」やめたい(2) 
              (1)〜(2)続く

 都会に住む私たちは、そんな実態に目を向けずに電気を使ってきた。いや、隠されてきたのかもしれない。私たちの電気代には、その交付金の原資が含まれる。「電源開発促進税」というものだ。
 政府資料によれば、東電管内の標準家庭で月の電気代約6222円のうち、約108円が徴収される。だが、電気代の明細書には示されない。
 福島大学の清水修二副学長は、こうして都会からカネを送らせる仕組みを、故田中角栄
*1元首相にちなんで「新潟3区的発想」と呼ぶ。そして今回の事故が起きて、「交付金が『毒まんじゅう』だったことがはっきりした。もう、廃止すべきだ」と訴える。
 この構図は海外に広がるかもしれない。日本と米国、モンゴルが共同して、使用済み核燃料などの国際的な貯蔵・処分施設をモンゴルに建設する構想が明らかになった。国内処分は無理だから途上国にということか。高レベル放射性廃棄物の危険性がなくなるのは数万年単位の話だ。
 エネルギー基本計画のみ直しでは、交付金などカネの力で、迷惑なモノを遠くに押し付ける手法も、真正面から問い直さなければなるまい。

'11.5.20.朝日新聞・経済グループ・小森 敦司さん

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