散歩道<4353>
社説・余滴・原発を突き放す国の「常識」(1) (1)〜(2)続く
北欧スェーデンに出かけた、この国は1980年に行われた国民投票の結果を受けて、かって「脱原発」の旗を掲げていた。それが今どうなっているのかを知るためだ。
地震や津波の心配はない国だが、原発の是非を巡る議論は東日本大震災の後、再熱している。ただ、取材して驚いたのは日本の「常識が」この国ではまったく通じないことだった。
例えば、政府と電力業界との関係だ。
スェーデンの政府は、原発の数について、今ある10基を上限とする方針を決めている。電力会社が原発を新設したければ、古い原発を廃炉にしなければならない。政府は一切援助しません。電力会社がペイすると判断すればご勝手に、という態度だ。
企業エネルギー通信省のダニエル・ヨハンソン副大臣は「補助金と判断すれば、その予算は廃止する」と語った。
政府の支援をあてにできない電力会社が原発建設に二の足を踏むのは当然だろう。
日本では原発絡みの補助金が多い。経済産業省と電力業界との蜜月関係は当然視されている。そんな日本の「常識」もこの国では通用しない。
'11.5.12.朝日新聞・国際社説担当・脇坂紀行氏
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