散歩道<4346>
海岸林の役割りどう再生
塩害・飛砂・強風防止、景観形成も(2) (1)〜(2)続く
被害は千f以上 津波防ぐ高さ・奥行き確保を
○ ○
地域的な特徴では、海岸砂丘があまりなく地盤が低い所に海岸林がある岩手県や宮城県では、津波が海岸林の背後にある住宅地や農地まで侵入した場所がほとんど。やや高い砂丘の上に海岸林がある茨城県では、津波の規模が東北より小さかったものの、「海岸林の地盤が高かったことも、東北に比べて被害が抑えられた理由の一つ」と坂本さんは見ている。
山形大の林田光祐教授(日本海岸林学会副会長)は「海岸林の効果は地形と合わせて考えることが大切だ」と話す。「季節風の吹き付ける日本海岸に比べて、太平洋側にはあまり砂丘が発達しない。またリアス式海岸では平地が少なく、林帯幅の狭い海岸林が多くなる」
こうした条件のもと、海岸林に津波防災効果を持たせようとすれば、人工的に造った高い砂丘の上に林を育てたり、土地利用を見直して十分な林帯幅を確保したりする。それが難しければ、防潮堤のような構造物と合わせた対策を進めることになる。
○ ○
塩害や飛砂・強風防止を主目的に育てられてきた海岸林は、美しい景観の形成、生物多様性の保全といった役割りも担ってきた。坂本さんは「今のままでは、台風や冬の季節風の時期に、砂が飛んだり風当たりが強くなったりする。海岸林が果たした役割りのありがたみを感じることになりそうだ」と予測する。
苗木を植えても、林の回復には数十年かかる。当面はネットや垣根などを設けて、失われた機能を補完させることになる。林田さんは「多くの役割りを果たしてきた海岸林を回復させる意味は大きい。地域ごとに、どの機能をどれぐらい発揮できるのかを考えて、工法を検討していかなければならない」と指摘している。