散歩道<4326>                    
 
                       
仕事力・君の人事権は、自分にある(3) 問題を体感するために動                 (1)〜(4)続く

今の足場を守りながら第二の視点を持つ    
 自分が目指して努力もし、ようやくできるようになった、今目の前にある仕事は大切なもので、それは自身の幹であり、これからも継続していかなくてはならない。しかしこれも先輩起業家から教えてもらったことですが、自分に新しい視点を持たせることが同時に重要だと知り、私は起業して仕事が軌道に乗った頃に、物事を判断したり考える立ち位置を会社の外にも置くよう努力をはじめました。
 もちろん本業は懸命にやります。それを日本全体の流れから見たらどうか、世界の動向から見たらどうか、自分の仕事はどういう位置づけなのか意識する努力を続けようと試みたのです。毎日の果たすべき業務は大変に多く又やらねば支障をきたします。力を尽くして何とかやり遂げることは大切ですが、それだけでは実は視野が狭くなり守りに入ってしまう。それを打ち破るために私は会社の外に自分が活動できる事務所を持ち、個人と時間を確保することにしました。
 それから経営者として大きな視野を得るため、私は家族とニューヨークへ移住することにしました。起業家として会社の将来を考え、また、「社会の問題点を解決する」という創業の目的をより高い次元で実行するための決断でした。アメリカで、個人を大切にすることがどれだけ人を元気にするかという大きな学びを得ました。私が生涯かけて成し遂げたいと考える「自分の人事権を自分で持つ働き方」を裏づけるものでした。日本では、「自分勝手」や「不安定」といわれる自由な働き方の実現こそ、個人にとって幸せな仕事の在り方なのです


個人働く力と社会の問題を結ぶ
 
私が渡米し8年目、阪神・淡路大震災が起きました。1990年には日本の経済全体が冷え切り、大手企業から中小企業まで例を見ないほど倒産や失業率の急上昇が続きました。
 この未曾有の就職難を何とかしなくてはいけない。しかし、根本的に必要なことは何なのか。答えを求めて1年以上にわたって、日本のすみずみまで行脚しながら雇用を創造する方法を考えました。
 ある時、秋田県八郎潟の大潟村を訪れ、農業はただ農産物を作るだけの産業ではなく、加工産業でであり、ITを活かせる情報産業であり、日本の基幹産業たりえると強い感慨を受けたのです。すぐさま就職難にあえぐ中高年約60人を連れて大潟村へはいり、農業とビジネスを結びつけることで新しい雇用を生み出そうとしました。
 また農業は産業としてだけでなく、働き方としても大きな魅力があります。今年から音楽や芝居などの芸術家を育てる環境を兵庫県淡路島に作り、自然を体験し、農業を
学びながらプロの芸術家を育てて地域活性化にもつなげる新しいプログラムを兵庫県と一緒に開始しました
干拓によって誕生した
'11.4.10.〜5.8朝日新聞・パソナグループ代表取締役・南部 靖之氏

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