散歩道<4324>
仕事力・君の人事権は、自分にある(1) (1)〜(4)続く ・・・・・ 発想を変える
本来の自分を見ていますか
息子の絵を10円で買ってくれた母
「算数で100点取るのも,100b競争で1番になるのも、絵がうまいのもみな同じ才能である」と母親にいつも教えられて育ちました。
父親もそうでした。数学の試験の成績がひどくて自分はアホやと落ち込んでいたら、「人に迷惑をかけた時に恥よ」と。確かに勉強していない自分が悪いけど、人に迷惑かけていないと思ったら、気が楽になった。このように両親がずっと教えてくれたことは、価値観の多様性、人は多面体であるということだったのです。
今の若い人が自分の将来を考える時に迷い、暗い気持ちになってしまうのは、学校の成績という単一の価値観しか持たないからです。でも世の中の物差しは違います。様々な能力が求められるのです。だから自分が最も得意な分野、やりたい分野で存分に力を発揮し、社会の役に立ってほしい。
100社回っても決らなかった就職先
そうは言っても私も大学時には企業への就職に必死になりましたが、いい返事はもらえませんでした。そんな時、父は「六甲山できこりになってもいい」「青年海外協力隊に参加して、ボランティアにいくのもいい。働くとは自分の能力や才能を表現することだ」と、また多様な考えを示してくれました。
そして、どうやぅて起業するかを考えていた時。父の勧めで山口県萩市にある松下村塾を訪れました。吉田松陰の座卓の後ろに書かれた掛軸に陽命学の「知行合一」が目にとまりました。
「知識をつけることは行動することの始まりであり、行動することはつけた知識を完成させることである。行わなければ知っているとは言えない。知っていても行わないのは、まだ知らないのと同じである。知って行ってこそ、本当の英知、真知である」と。この言葉を私なりに解釈したのが、「迷ったらやる」ですね。衝撃を受けた遊び好きな当時の私がそこで心を入れ替えて会社を作る決意をしました。
何となく起業を考えていた時には、目標も、決意もありませんでした。自分で動かなければと、全ては絵に描いた餅に過ぎないと気づいて父や、友人、からお金を集め、360万円の資本金で1976年、大学卒業前に会社を作りました。夢は社会の問題を解決するための仕事です。
当時就職に困っていたのは男子大学生だけでなく、女子大学生を受け入れる企業などは皆無に近かった。さらに一度一般家庭に入り主婦になった人は、どんなに優秀でも職場復帰はかないませんでした。だから私は、いくつになっても自分の能力や才能が活かせる好きな仕事が選択できる、安心して働くことができる雇用インフラを作ろうと起業しました。
'11.4.10.〜5.8朝日新聞・パソナグループ代表取締役・南部 靖之氏
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