散歩道<4279>

                          経済気象台(650)首都直下型地震への教訓

 今回の震災では、東京も震度5強を記録した。その結果、電車が止まり、サラリーマンの帰宅の足を直撃した。その際、東京で起きた都市交通を巡る事象を検証し、近い将来発生するといわれる首都直下型地震への教訓を探る必要があろう。もちろん、地震の発生時刻によりその対応策はいくつものケースに分けられるが、大きくわければ、サラリーマンが自宅にいる場合と会社にいる場合の二通り。自宅にいる場合は、会社や学校からの帰宅という課程が不必要になるので、都市交通の復旧の緊要度は低下する。しかし、今回のように平日の昼間に発生すると、都市交通の復旧が重要になる。
 そうした場合、都市交通の主力である鉄道の復旧状況をにらみながら、いかに短時間で多くの人が帰宅できるように誘導するかが肝要である。今回は、JRがいち早く終日復旧せずと表明したようであるが、誰がどういう情報をもとに判断したのかは検証されるべきであろう。私鉄は、夜中にかけて徐々に復旧したが、JRは当日復旧しなかった。この点についても事後検証が必要であろう。
 加えて、当日は鉄道復旧の状況をにらみながら、ターミナル駅からバス便を適宜増発する(同時に自家用車の通行を規制する)など都市交通の統一的マネジメントを担当するセクション不在が混乱に拍車をかけた。首都直下型地震では、道路が損壊されることも想定されるので、すべて帰宅することが良いと一律に言うことはできない。しかし、いずれにしても、東京都ないし国土交通省に震災時の都市交通を統一的にマネジメントするセクションを作り、種々のシュミレーション実験しておくべきではないか。

'11.3.30.朝日新聞

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