散歩道<4262>  
             
                              オピニオン・3・11 科学技術は負けない(3)                        (1)〜(6)続く
                         「原子力村」の弱点 原発事故招いた でも押さえ込める

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・・・原子力発電は20世紀の科学技術が生んだ巨大システムです。私たちは科学技術によって大きな恩恵を受けてきましたが、いま、その科学技術が生んだ原発によって災禍を受けようとしています。この状況をどう見ますか。
 「私は楽観しています。あらゆる科学技術にはライト・アンド・シャドー、『光と影が』あります。例えばペニシリンの発見と実用化によってたくさんの人命が救われましたが、一方で抗生物質が効かない耐性菌が大量に出てきた。これを人間はコントロールできるのか。科学技術にはそういう問題が常にあります」
・・・科学が生んでしまった暴走を、科学は押さえ込むことができるでしょうか。科学技術の限界が見えてきたのでしょうか。
 「うーん、その結論は、まだ早いんじゃないかな。確かに今回の事故は放射線の影響もあって、かなり厳しい事態です。でも私はたとえどんなに困難に見えても、問題そのものを明確に、具体的につかめば、我々は答えを出せると考えています。具体的にすればするほど、これまで人間は、科学は、問題解決してきましたから」
 ・・・でも、我々はコントロール不能の、ある種の化け物、怪物を作り出してしまったように思います。
 「そんな風に考える必要はありません。時間はかかりますが、私は押さえ込めると思っています。原子炉に制御棒が入ってから20日がたち、大惨事は回避されました。トータルの放射線量も減りました。この数日を見ると、とりあえずは収まりかかっているようです。化け物をコントールできなくなったとか、怪物だとか、そんなふうに考える必要はまったくありません」

'11.4.1.朝日新聞・三菱総研理事長  前東京大学総長 *1小宮山 宏さん