散歩道<4251>

                             ザ・コラム・復興へ                       (1)〜(3)続く
                          できるだけ「東北産」買おう(3)    

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 日本は地震や台風など自然災害の多い国であり、都市も地方を含め、日本人すべてにとってひとごとではない。だからこそ、今回も支援の輪が広がったのであろう。こうした連帯意識を生かす前述の仕組みが、大災害時に自動的に働くように制度化しておけば、国民に大きな安心を与える。高齢者の生活を支える社会保障はもちろん重要だが、大規模災害時の保障はもっと基本的なものである。
 このようなときの増税は、経済に悪影響があるという人もいる。しかし、この資金はすぐに復興のために使われる。つまり、払ったお金はすべて需要創出になっている。それにもし復興税が景気を冷やすと言うなら、義援金も景気を冷やすはずだ。
 増税せずに赤字国債にすべきだという主張もある。だが国債は今払う税金を利子付きで将来払うだけであり、負担を軽減するわけではない。それに日本は巨額の国債を抱え、信用維持のために国債増加を抑える財政の道筋を示す必要があった。
 そこで起きた大災害で日本経済への不安が膨らみかねないとき、見通しのない国債増発は、特に信用不安を生みやすい。だから資金のつなぎで国債を増発せざるを得ないとしても、数年後には必ず復興税で返済する制度を整備することが不可欠だ。
 日本が置かれた国土状況を痛感した今こそ、こうした安全保障制度を整備すべきだ。それによって、日本の巨大な経済力を個々の国民の安心につなげることができる。


'11.3.23.朝日新聞・大阪大フェロー・*1小野 善康氏

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