散歩道<4250>
                             ザ・コラム・復興へ                       (1)〜(3)続く
                          できるだけ「東北産」買おう(2)    

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 この様な事態に遭遇し、全国の善意が高まって募金運動が盛んである。多くの自冶体も、物資や避難所、住居の提供などの支援を行っている。これらの善意は被災者の大きな支えだ。長く続いた不況で国民の気持ちが分断され、「勝ち組」「負け組」などという言葉まで飛び出したが、今回の悲劇で助け合いの気持ちが広がっている。
 しかし、義援金まかせでは金額に大きな違いが出る。兵庫県の調査では、1世帯あたりで計算すると雲仙普賢岳噴火は3200万円、北海道南西沖地震は2500万円なのに対し、阪神淡路では40万円で、これでは生活再建にはほど遠い。このように個々の善意に任せるだけでは限界があり、地域的、時間的格差を埋めるには、政府が主導して、国民の善意を普遍的な安心に結びつける必要がある。
 具体的には。5年程度の時限で「復興支援税」の導入と「災害復興庁」の設置を行うべきだ。そこに各省と自冶体の政策担当を結集し、復興政策を一元化して、地元住民の復興努力を最大限支援する。
 税が復興支援だけに使われたことを国民に示すことも重要だ。独立組織なら明細の開示が容易になる。国民の善意を制度化した復興税という名の義援金が、公平かつ広範に使われると知れば、国民は安心できる。
 資金はインフラ復興から生活再建まで、広範囲に使われるべきだ。復興は、被災地域はもちろん、生産と需要の両面において日本経済全体のためにもなるこの地域には、自動車や電機の部品メーカーも多い。
 制度の時限化は、国民の理解を得る上で決定的に重要だ。税負担は義援金と同様に一時的になり、目的も明確で官の肥大化も避けられ、年金のような積立資金管理の問題もない。 
'11.3.23.朝日新聞・大阪大フェロー・*1小野 善康氏


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