散歩道<4241>
社説・3・11
東北の役割見直し復興(2) (1)〜(2)続く
岩手県の大先達に後藤新平がいます。関東大震災後、帝都復興院の総裁として東京の復興計画をつくった政治家です。これにならい、東北復興院を設けてはどうでしょうか。官僚、関係する自治体、民間の専門家も入れた組織をつくる。関東大震災のときは首都なので基本的に国がやりましたが、今回は東北が主体になるべきです。
地震で東北は深刻な人口減になるでしょう。高齢者の比率も上がる。もはや成長を前提にはできない。成熟社会を前提にした計画が必要です。自助、共助、共助でいえば、共助をベースとした医療や福祉のあり方を盛り込んだ復興計画をつくるのです。
東京が機関車となって引っ張った戦後の高度成長は、人材や労働力、電力などの面で陰に陽に東北が支えてきました。戦後、東北からの集団就職や出稼ぎの人たちが懸命に働き、日本を支えた。福島第一原子力発電所にずらりと並んだ原子炉でできた電気はみな、東京に送られています。
これまでは成長の果実を公共事業という形にして東北に還元してきました。しかし、今後はかっての右肩上がりを前提とした再配分は難しい。東北が今までと同じ役割をはたすべきではないし、そもそもそれはできない。
地域発の成熟社会を実現して東北が自立する。これはアジアの先進的なモデルとなります。そのうえで東京と東北が支えあう。大震災がせめてその機会になれば、と思います。
'11.3.26.朝日新聞・前岩手県知事・元総務相・増田 寛也さん
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