散歩道<4237>
社説・日本経済の試練 再生へ、(2) (1)〜(2)続く
総力で挑もう
企業や役所、学校などが勤務時間を縮めたり、ずらしたりする。自宅で仕事をしたり、配送方法を効率化したりする。そういったさまざまな知恵や工夫が問われている。
1970年代の石油危機は,各企業がコスト削減と省エネルギーの努力で乗り切った。今、私たちの社会と経済の全体が壮大な省エネ改革を突きつけられているといえる。
同時に、全国規模で震災に強いまちづくりとエネルギー転換への息の長い挑戦が幕を開けることになろう。
長期的には原子力への安易な依存は許されなくなる。太陽光や風力、燃料電池など新エネルギーの利用を増やし、地球温暖化防止に必要な低炭素社会への地ならしにもしたい。
震災に強く、環境にやさしい国土と社会の建設は、膨大な投資需要を生む。雇用と消費の拡大を通じて経済の活性化をもたらす。それはまた、日本を世界に誇れる先進経済モデルにすることにつながっていく。
経済とは詰まるところ、人間がつくる社会全体の力にほかならない。人と企業、地域社会が震災を機に絆を強めたことで、その力を大きく引き出すことができるのではないか。
震災からの復興と日本再生に挑む強い意志を私たちが共有する限り、この惨禍を新たな改革と発展の契機にできる。敗戦の焦土から立ち上がった歴史的経験と、阪神大震災からの復興を思い出し、総力を結集しよう。
'11.3.25.朝日新聞
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