散歩道<4234>

                                    社説・放射能と避難(1)                 (1)〜(2)続く 
                                予測生かし、きめ細かに

 「スピーディ」の結果が震災後10日以上たって出た。
 福島第一原発事故で住民が受ける放射線量などを予測する「緊急迅速放射能影響予測(SPEEDI)システム」の試算だ。原子力安全委員会(斑目
(まだらめ)春樹委員長)が公表した。
 現在,第一原発から半径20`圏で住民が避難している。だが、その外側の屋内退避域である30`圏やさらにその外も含めて一部のところでは、放射性ヨウ素により、住民が甲状腺に100_シーベルトを超える被爆をするおそれがあるという。
 この数値は、原子力安全委の防災指針で、健康被害を抑えるために安定ヨウ素剤を飲む目安の一つとされる。試算では、被爆の影響を受けやすい1歳の赤ちゃんを例にとり、12日間、昼も夜も屋外にいたと仮定した。赤ちゃんが現実には家の中にいるはずだから、その量はぐんと減るだろう。
 さらに、原発からの放出量の推計なども仮定が含まれているらしい。
 だが、それでも納得がいかないのは「非常に厳しい条件を想定した。ただちに対策をとる必要はない」という斑目委員長の見解だ。
 こうした予測で厳しめの仮定をするのは当然のことだ。そのうえで被爆量を見積もったら、それが指針にある目安を超えた。それなのに「ただちに対策をとる必要はない」と言われたら、なんのための試算か目安かと戸惑う。

'11.3.25..朝日新聞

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