散歩道<4227>

                           座談会・日本政治・知日派の嘆き(4)                           (1)〜(7)続く
                         まだ転換期、政界再編しかない
 
スミス 他の国々と一緒になって中国にどう責任を持たせるか、外交は戦略的に考えないと。米中首脳会談で北朝鮮の核開発に懸念を表明したことや、イランの核不拡散義務に言及したのはすごく大事なこと。でもノーベル賞への反応や経済・通貨問題が議会で問われているし、対中政策は一番頭が痛い。私たちは誰もG2とは考えていない。問題ごとに解決策を探り、戦略的な関係を創ろうとしている。
グリーン 胡首席は最後の訪米だがら失敗は許されず、共同声明で小さな妥協をしたが、実質的な中身はそんなになかった。
若宮 形だけだった、と。
グリーン
 理由は三つ。まず、いま胡氏はさほど力がない。次に軍の文民統制の問題。特に海軍と空軍では東シナ海や南シナ海、サイバーの面でかなりの自由に行動ができる。三つ目は、胡氏や次期首席の習近平(シーチンピン)氏の後の世代の軍部や共産党幹部、それにネチズン(ネット市民)には「もう中国の時代だ。おとなしくしなくてもいい」というナショナリズムがある。少なくとも今後10年は日中、米中だけでなく、オーストラリアや韓国なども中国と経済の相互依存を深めながら、戦略的競争はもっと激しく複雑になると思う。
若宮
 特に日中は非常に難しくなった。尖閣問題では、はじめ穏便におさめたかった中国トップの出方を日本が見誤って釈放を遅らせ、強硬論に追い込んだ面もあります。下からのナショナリズムを煽ってしまった。
スミス
 私たちの反応も、これからの中国指導部の選択や次世代の外交にすごく影響がある。だから、私たちは日本をはじめアジア・太平洋の国々と連携していかなくては。中国国内の議論に影響を及ぼすようエンゲージ(関与)していかなくては。
グリーン
 その関与政策をとるためにも、力の維持が必要。米中の共同声明で胡氏が小さくとも妥協したのは、中国がやり過ぎたと気づいたからです。なぜならこの間、日米韓、日米豪の連携が強まり、インド、東南アジアも戦略的に米国を取り込んだから。力の維持と関与のバランスは微妙だけれど、両方やらないといけない。

'11.3.8.朝日新聞・座談会・米戦略国際問題研究所日本部長・マイケル・グリーンさん・米外交問題評議会上級研究員・シーラ・スミスさん 本社コラムニスト・*1若宮啓文氏

関連記事:散歩道<検>政治、<検>社説、<検>
氏名・*1若宮啓文氏764.2751.3786.3949.4066.