散歩道<4213>

                           オピニオン・3.11.                          (1)〜(3)続く
                         「沈黙の避難所」をなくそう(1)

未曾有の災害と事故が重なった時、危機管理はどうだったのか。どうあるべきだったのか。政治はいま、何をすべきなのか。中央から指示が届かない、待っていられない被災地でどんな行動をとればいいのだろうか。

 私は阪神淡路大震災当時、神戸市の広報課職員でした。現在は国際協力機構(JAICA)と協力して、国内外の防災教育支援を行っています。
 移動・連絡網が分断され、不測の事態が次々起こる被災地では、中央からの指示で動くトップダウンには限界があります。求められるのは、自治体の職員からボランティアまで、一人ひとりが高い自主性と責任感で行動する「自立・分散型」の手法です。
 私たち内外の自治体職員向けに開発した研修プログラムには、受講者に避難所の運営責任者や自治体の現場責任者になってもらうロールプレーがあります。
 上から指示されることに慣れた人に、危機管理における自立的な判断の重要性を、身をって知ってもらうのです。「遺体がどんどん運ばれてきて、安置する場所がない」「犬を持ち込んだ人がいる」おばあちゃんが急に苦しみ始めた」。想定外の事態が次々と起こるシナリオを体験すると、多くの人はパニックのよう状態に陥ります。
 被災地はある意味で、なんでもありの場所です。独断専行は控えつつ、思いついたことを積極的に提案し、実行に移す気持ちを誰もが持って欲しいと思います。

'11.3.17.朝日新聞・神戸市復興支援員・松崎 太亮氏 

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