散歩道<4212>

                             オピニオン・3.11.                          (1)〜(2)続く
                         専門家集めた「司令塔」必要(2)

 例えば、陸上自衛隊のヘリを被災地に2030機飛ばし、それぞれ陸自の幹部と土地勘のある消防関係者が乗り、上空から調べる。救助のために「この地区に部隊を2千人、あの地区に3千人」と判断し司令塔に使えればいい。
 陸自の大型ヘリCH47だけで54機ある。立った状態だと、1機で約100人が乗れる。孤立した地区から被災者を迅速に移送するのに適した手段だ。
 実際に活動を続ける中で、何が必要で誰が必要かわかってくる。その都度、とりあえずつくった司令塔に必要な人材を加えていけばいい。
 宮城県気仙沼市の大火を見て、私自身、ほぞをかむ思いだ。なぜ出火初期に空中消火できなかったのか。消防審議会委員として、消防防災ヘリを集中投入する実動訓練を何度も呼びかけたのだが、実現しなかった。被災者を二度とあのような目に遭わせてはならない。
 原子力に関する政府の有識者会議に、危機管理の専門家がいるだろうか。想定を超える事態は常に起きることを前提に、今後の対策を講じるべきだ。安全基準を今の100倍に上げるとか、十分な補償をしたうえで原発周囲50`は居住不可能にするなど、思い切った施策が必要だろう。
 将来、大規模な地震は発生するだろう。司令塔チームを母体に「危機管理庁」をつくり、さらには「国家安全保障会議」を設置することを、今度こそ実現してほしい。

'11.3.17.朝日新聞・軍事アナリスト・小川和久  

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