散歩道<4195>

                                   社説・都知事選(2)                (1)(2)続く
                                   これからの東京の話を

  若者は安定した職に就けず,独居の高齢者も増える。「弧族の街」になっているのに、きずなの整備は不十分。近郊のニュータウンで急進行する高齢化は、やがて東京全体を覆うだろう。医療・福祉といった生活者施策を後回しにしたツケが、後世に噴出す心配がある。公共の建物や橋、上下水道など、高度成長期や以前に整えられた都市インフラも老朽期が来る。
 成熟か衰退か、技路に立つ都市。
 東京が抱える課題は、ますます複雑だ。一方、制度疲労の目立つ集権型行政を転換し、より身近な自治体や市民が権限を分かち合う時でもある。
 大阪府の橋下徹知事や名古屋の河村たかし市長らが、政令都市と府県の関係を見直す「大阪都」「中京都」構想を提起している。都庁と特別区とが権限争いを続ける東京でも、大都市の統治や自治のカタチをめぐる議論を、もっと深めるべきではないか。
 日本全体が政治・経済の転換期にあるのは間違いない。「東京から日本を変える」と豪語した石原氏は、傘寿
*1を前に舞台を下りようとしている。
 改めて東京の役割をどう位置づけるか。持続的な都市生活の向上や、他の地域との均衡を、どう図るのか。東京の未来予想図を競うときだ。

'11.2.26.朝日新聞・

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