散歩道<4188>

                       耕論・オピニオン・相撲のない日本(4)                   (1)〜(5)続く
                          国が特別視する必要はない

防げない八百長 
 さて、八百長問題です。これは今の相撲界では防げません。新弟子のころから寝食をともにし、おかみさんの世話になり、兄弟子にしごかれ、という前近代的な疑似家族の関係があるのです。相撲界は、そんな間柄の部屋で構成する一族です。親しい力士が十両から幕下へ転落する危機にある、となったときにフッと力が抜けることを誰が止められるでしょうか。博徒と結びついていない限りは、どっちが勝っても面白ければそれでいいんです。
 あまり露骨に八百長をやれば、真剣勝負を楽しんでいた人は去っていき、それでも相撲が好きだという人が残る。それだけのことです。市場原理に委ねればいい。お客さんを楽しませるのがプロスポーツですから、相撲協会が真剣勝負が魅力だというのなら、そうすればいい。一方で八百長があったとしても、お客が楽しんでいるなら、またそれでいいのです。司法で断罪するような形で八百長の全容解明みたいなことをするのは、あまり賛成できません。プロスポーツの魅力は均質なものではありません。

'11.2.25.朝日新聞・劇作家・*1山崎 正和さん