散歩道<4187>

                       耕論・オピニオン・相撲のない日本(3)                   (1)〜(5)続く
                          国が特別視する必要はない

 国技の根拠薄弱
 
 国技と呼ばれるようになったのは、明治時代です。柔道や剣道でなく相撲が国技となったのは、あくまで偶然だったと私は見ています。旧幕臣で、明治天皇の侍従を務めた山岡鉄舟が大の相撲好きで、天皇に相撲を教えたというんですね。さらに欧化政策に抵抗する保守派と結びついて、地位が一気に上がったのだと思います。明治42年(1909)年、東京・両国に常設小屋、国技館が建設され、いよいよ大相撲が国技として認知されていきます。その後、相撲協会の財団法人化によって、裏付けも得ました。
 昭和の初めには、メディアの発達とともに、大衆化し、第2次世界大戦へと向う中で、外来スポーツの排除というナショナリズムと結びついた。それで一気に国民的なものとなるのです。私も子供のころの記憶にありますが、
*2双葉山、男女ノ川(みなのがわ)というスターが大人気を博しました。
 こう見てくると、相撲は大して神聖ではなく、国技
*3である根拠も極めて薄弱。国家と結びついていた期間も長くない。賛否どちらにしても、大相撲を特別視する必要はないことが分かると思います。

'11.2.25.朝日新聞・劇作家・*1山崎 正和さん

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