散歩道<4170>
クルーグマン・コラム・世界食糧危機(2) (1)〜(4)続く
温室効果ガスへの無策のツケ
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食料価格の急騰は、ある程度は商品市況が活況であることの一つの側面でもある。アルミから亜鉛まで、ありとあらゆる原材料価格は2009年の早い時期から急激に上昇している。それは主に新興市場において工業生産が急速に拡大しているためだ。
だが、工業生産の拡大と需要との関係は、言ってみれば、食料よりも銅についてより明らかだ。非常に貧しい国々を除いて、収入が増えることは、人々が食べる量にそう大きな影響はもたらさない。
確かに、中国のような新興国の成長は肉の消費量の拡大につながり、その結果、家畜のエサの需要が増えるということはある。また、農業で生み出される原材料、特に綿は食料となる穀物と、その耕地や(耕作に必要な)他の資源を競い合うことになるのも、そのとおりだ。また、(バイオ)エタノール(その生産には大量のトウモロコシを消費する)を補助金を払って生産させるのも、同じことだ。つまり経済成長とダメなエネルギー政策が、この食料価格の高騰に何がしらの影響をもたらしているのだ。
それでも、昨年の夏までは食料価格は他の原料の価格ほどは上昇していなかった。そして異常気象が起こった。
'11.2.10.朝日新聞 *1クルーグマン