散歩道<4167>
   
  
                         耕論・オピニオン・スフィンクスが動いた(2)                        (1)〜(3)続く
                            完全な反米政権生まれぬ

 この30年ほどの中東の流れを見ていると、イスラム原理主義と見られていた勢力が、実はもっと多様な意見を持つ存在で、様々な形で社会に定着してきたことが分かる。そういう多様な意見が反映できるような政治システムをつくるために何が役に立つのか、という視点が求められる。日本政府の途上国援助(ODA)は減りつつあるとはいえ依然、外交の効果的な手段だ。日本はODA大綱で、平和と民主化、人権保障のための努力を積極的に行っている開発途上国に対して重点的に支援するとうたっている。この原則を生かすべきだ。
 今後の見通しは、もちろん予断を許さない。反米的な雰囲気が一気に高まることもあるかも知れないし、民主化が進む過程で、ムスリム同胞団が一定の発言権を持てば、イスラエルとの関係は維持しつつも、イスラエルのパレスチナ政策に批判的な意見が強まる可能性もある。
 
防衛大学教授・立山良司さん      

関連記事:散歩道<検>政治、<検>外国、<検>社説、