散歩道<4161>
耕論・オピニオン・スフィンクスが動いた(2) (1)〜(3)続く
食料高騰 憤りに火つけた
国連の人口統計によれば、エジプトの人口はムバラク氏が大統領に就任する前年の1980年には約4400万人だったのが、2010年の推計では約8400万人とほぼ倍となっている。爆発的な人口の増加ともいっていい。近年経済成長を続けていたとはいえ、一人当り国民所得は約1800j弱と中国のほぼ半分にすぎない。
産業も観光のほかは農業など1次産業が全体の3割を占め、2次産業もその大半がオリーブ油やワイン生産などの1次産品の加工だ。若者の大半は高失業率に苦しんでおり、産油国のように原油収入を国民に分配して不満を和らげることもできない。
それに食料危機が拍車をかけた。世界的に見ればこの40年で人口は倍増し、中国やインドといった新興国の成長や、それに伴う肉食を中心とした食生活の変化、温暖化に伴う異常気象などで食料は逼迫している。乾燥地帯の多いエジプトもチュニジアも小麦の輸入国であり、08年の食料危機時にはエジプトではパンの品不足から暴動も起きた。食料価格は今年1月、過去最高水準となっていた。
'11.2.15.朝日新聞・丸紅飯経済研究所代表・柴田 明夫さん
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