散歩道<4154>                               自分流に纏めました    
                     仕事力・君の原動力は見つかったか?(2) 失敗を乗り越える力を持て 「責任ある個人」に育て  (1)〜(4)続く
                      

向上心の高い日本人の資質をよみがえらせよ 
 自信がないという若者に私は歯がゆく思えます。日本人には実感がないかもしれませんがアジアの国々のほうが格段に元気です。外国に出て建築の仕事をしてみると日本とは若者の瞳の輝きが違うことに驚かされます。しかし、日本には世界を驚嘆させた成長と復活の歴史があります。19世紀後半、幕末から明治維新を経て実現した近代化のスピードは世界の奇跡と言われました。それを支えたのは江戸時代の広く行き渡ったレベルの高い教育だったのです。初版は」武士の子弟の教育のために個性的な藩校を儲けましたし、吉田松蔭の松下村塾や緒方洪庵の適塾などの私塾に志の高い若者が集まりました。適塾にはオランダ語の辞書は一冊しかなかったようです、それを取り合うようにして学んだそうです。寺小屋の普及で庶民の多くも読み書きができました。1945年の終戦では、東京、名古屋、大阪、福岡など主要都市はみな廃墟になりましたが、戦前の教育を受けた当時の20代の若者が戦地から帰ってきて猛烈に働いた。家族、地域、そして国のため「自分がやらなくては」と必死だったと思います。ソニーの盛田昭夫さんやホンダの本田宗一郎さんなどが「世界一」の電化製品や自動車に挑戦して成功していきます。こういう先達を見ても日本人のDNAには「勤勉で努力を惜しまず、夢を持つ」資質がある。現代の教育は画一化していますが、その中にあっても現状に甘んじることなく、自分個人は何ができるか、「自分でやってみる、そして責任を取る」ことを目指してほしいのです

挑戦する個人には巻き込む力がある
 
人間は、高い志や挑んでいく熱さを持つ仕事人に出会うと強く惹かれます。それは自分の中にもそうありたいという思いが眠っているからでしょう。私も冒険する個人となるべく多く出会い、ともに仕事がしたい。果敢な冒険に向っていく姿を見ると力がわいてきます。昨年大阪に私が手がけた「チャスカ茶屋町」という複合ビルが完成し、そこに本屋として国内最大売り場面積を持つ「MARUZENN & ジュンク堂書店 梅田店」がオープンしました。1階から7階までの吹き抜けを持つ巨大な書店で、約2100坪の広大な面積に約200万冊の本をそろえたという。本が売れないとか、電子化だとか言われる時代の流れに立ち向かっていく本当に思い切った挑戦です。私にはそれは、62年に堀江謙一さんがただ一人、小さなヨットで太平洋を渡っていった冒険と重なり合いました。ジュンクの社長も「本の力を信じている」と明言しました。結果を出していくのは簡単なことではありませんが、自分の思いを信じて挑戦する社長に、私はいつでも応援すると思いを伝えました。こんなふうに、個人が責任を持って仕事を成し遂げようとする姿は周囲を熱くする。自分の志を大切にし、そして自分のやろうとする仕事を信じることです

'11.2.6.〜2.27.朝日新聞・建築家*1安藤 忠雄さん
備考(3)〜(4)は、後ほど報告予定です          関連記事:散歩道<検>氏名・*1安藤 忠雄さん259.279.417.680.1729.