散歩道<4153>                              自分流に纏めました 
                    仕事力・君の原動力は見つかったか?(1)  失敗を乗り越える力を持て 「責任ある個人」に育て    (1)〜(4)続く                         

若者はぬるま湯から抜け出せ
 近ごろ耳にした笑えない話です。外出先で悪くなっているおじいさんが助けを求めた。お腹が痛い、心臓が苦しいといったら、「ああ、そうですか、頑張ってください」とだけ行ってその場から立去った。そんなバカなと思ったが、それだけ今の若者は他者に対して無関心で、普段から余計なことは関わらないようにしながら生きているということです。だから人の命に関わるようなことが目の前で起きてもその場から遠ざかることしかできない。それというのも団塊世代にあたる、今の若者の親たちが、子供には失敗のない人生を送ってほしいという思いから過保護に育ててきたことが原因ではないかと思います。親世代の頭の中には、1流企業にさえ入れば生涯安泰だという刷り込みが消えない。その為、いまだに小さい頃から塾通いをさせるなど、子供から自らの判断で行動する自由を奪い続けているのです。私は数年前、東大の入学式で祝辞を頼まれて出席した時、絶望的な気持ちになりました。東大3千人の入学生に対し保護者が6千人来るんです。「これから懸命に学んで自立していけ」と、親が子供から手をはなす時なのに、若い人は失敗を怖がりますが、それは、生まれてからずっと過保護に育てられ、与えられた道の上だけを歩んできたからです。自分はむるま湯につかってきたんだと気付かなければなりません。仕事は失敗してそれを克服するから面白いのです。仕事とは失敗を乗り越える能力」のことですから

日常で判断力を磨け
 日常生活をすべて親にサポートしてもらったら、何が欠落するかと言えば、判断力です。仕事でも生活でも、人間はいつも判断の積み重ねで前へ進んでいくわけですが、それができないから立ち止まることになる。せめて自分の暮らしに必要なことは自分で判断してそろえていくことから始めたらどうか。住むところも、着るものも、毎日の三度の食事も意識して、自分自身で選ぶこと。そういう小さな行動の積み重ねが必ず生きていく力になります。こんなことを私が発言しなくてはならないほど、日本中の若い人が自分と向き合うという体験をしていません。日常の生活を取り戻さねば、仕事や人生を愛することができない。例えば建築家を目指すとしても、しっかりと「日常」を送っていないと、どんな家に住むと五感に心地よいのか、季節を感じられるのか、建物が街の景観に溶け込めるのかという重要なことについての判断が出来ないのです。私は日本の元気のない現状が残念で、何とかならないものかと焦りを感じています。若い人が本気になれない、挑戦する気持ちを持てないという実情を見ていますが、日本人の底力はこんなものじゃないという思いがあります。10人のうち1人でも2人でも、自分がぬるま湯につかっていることに気付いて、そこから抜け出す努力をしてほしいと思います
'11.2.6(1).〜2.13(2).朝日新聞・建築家*1安藤 忠雄さん
備考(3)〜(4)は、後ほど報告予定です
関連記事:散歩道<検>氏名・*1安藤 忠雄さん259.279.417.680.1729.

備考:散歩道<259>'03.8.31.安藤忠雄さんと稲盛和夫さんの文章に初めて新聞で接した時この発表内容の4回分を、何とか纏めることはできないかと何度も挑戦したが、何回自分流に纏めて書いたものと、元の原稿と見直してみて、そこに発表されているものには遠く及ばないことに気付き、それ以降は、発表されている内容に近いものを用いようと決意した時の原点が、この安藤さん、稲盛さんの文章であったことを報告しておきます。そのこともあり、今回の「仕事人」は懐かしいです。2011年2月14日