散歩道<4144>

                         朝日アジアフェローから・GDP3位の日本(1)                 (1)〜(2)続く
                            攻勢かけないと転落一途

 昨年、日本は1968年から維持していた世界第2の経済大国の座を中国に明け渡した。具体的には2010年の”名目国内総生産(GDP)米ドル換算額”(以下単に「GDP」)で見て、中国が日本を上回るだろう、ということだ。この問題の今後の展望と対策について私見を述べたい。まず展望だが、3位の日本について論ずるより前に世間の関心は1位、2位の方にいく。中国が米国を抜くことがあるとすればいつごろか、が第1問であり、中国が1位になるとして、それ以降もあの国の一党独裁は続くのか、が第2問であろう。まず、米中GDPの今後の伸び率は過去の伸び率と同じと仮定する。「過去の伸び率」としては、世界が経済危機に陥った07年以降の伸び率は異常値と見て排除し、06年までの5年間の平均(年間米国5.4%中国15.4%)を取る。これを09年の実績のGDPに乗じていくと、中国が米国を上回るのは21年となる。これは一般的な予想よりかなり早いが、元切り上げや中国の物価上昇加速などの可能性を考えると、あり得ない話でもなさそうだ。
 その時も中国は一党独裁であろうか。だとすると、世界経済1位が共産党主導市場経済という点で、資本主義のあり方をめぐる議論が盛んになろう。特に経済危機対策で米GM株の国有化など、企業経営に政府が関与したケースが多かっただけに、国家資本主義に関する議論が深まろう。

'11.1.26.朝日新聞・国際経済交流財団会長・畠山 襄(のぼる)

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