散歩道<4125> 

                          争論・オピニオン・続・第三の開国(2)
                   (1)〜(4)続く
              「内向き」は悪いのか・地域社会を損なうか・農業を強くできるか
                          国家の枠組み固めるのが先だ

 過度な自由競争こそが問題で、競争をやわらげて安定した経済を作らなければいけない。その枠組みになるのは、やはり国家です。
 最近の日本が内向き、という批判はその通りだと思いますが、グローバル化が進んで外の情報が入ってくると、逆に自分のアイデンティティーが気になるものです。「外国に追いつき、追い越せ」という「坂の上の雲」的な上昇志向に代わる価値観が求められている。
 それが分かれば、「どの分野で国を開き、どの分野で閉じるか」という戦略も見えてきます.そうした基準がないから「とにかく外国並みに国を開こう」という「バスに乗り遅れるな論」になる。開放を前提に国のかたちを構想するのではなく、国内のあり方を決めた上で、外国との付き合いを考えるべきです。
 日本は人口減少社会になり、経済が大きく成長することは難しい。生活のレベルを急に落とさず、低成長にどうやってもっていくのか。経済成長を優先するなら、人口減少を補う為、外国人労働者を入れることが必要です。しかし、私はもう一つの選択肢の方が賢明だと思います。成長よりも、我々の生活の土台をしっかりさせ、社会生活のリスクを減らすことに重点を置くのです。

'11.1.21.朝日新聞・京都大教授・佐伯 啓思さん


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