散歩道<4126>
争論・オピニオン・続・第三の開国(3) (1)〜(4)続く
「内向き」は悪いのか・地域社会を損なうか・農業を強くできるか
国家の枠組み固めるのが先だ
日本の場合、地域共同体の人間関係が社会の安定を作ってきました。排外主義的に受け取られると困るのですが、「外国人を受け入れつつ、国内に安定した共同体をつくる」というのは難しいと思います。高齢者の介護も、外国人に頼るのではなく、日本人が自分たちでやる体制を整えるのが先決でしょう。
一方、世界では人口が増え、激しい食糧争奪戦がおきています。日本は農産物の自給率を高めた方がいいのですが、ここで貿易自由化を急激に進めると、日本農業は大打撃を受けます。自由貿易論者が言うように農業を自由競争にさらしても,立て直しはできません。
農業衰退の本当の理由は、若者が都会へ出てしまったからです。それが日本の近代化だった。農業の再生には、農村を魅力的にする必要があります。エンターティメント施設や学校、病院をつくり、人々を呼び込まないとだめで、10年20年単位の地方整備や国土計画が必要です。
'11.1.21.朝日新聞・京都大教授・佐伯 啓思さん
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備考:第三の開国:幕末、戦後に続く劇的な開国過去2回の開国は、政治・経済・社会の大変革を伴った。「第三の開国」では、人、もの、カネの移動を自由にする「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への参加が念頭にある。貿易自由化だけでなく、国内農業の再生や、外国人労働者の受入れなど、争点は多い。