散歩道<4124>
× 争論・オピニオン・続・第三の開国(1) (1)〜(4)続く
「内向き」は悪いのか・地域社会を損なうか・農業を強くできるか
国家の枠組み固めるのが先だ
国を積極的に開き自由貿易をすれば世界中が共存共栄できる、なんていう考えはまったくウソです。
古典的な自由貿易では、資本や労働力、技術が国内にとどまることを前提に、各国が得意分野に特化することで皆が栄えるとされました。ところがグローバリズムにより、それらが国境を越えて自由に移動するようになった。そういう状況では、自由貿易で各国が等しく利益を得ることはありません。むしろ現実は、各国が戦略的に有利な条件をつくり出そうとするのです。
この十数年間グローバルな世界で一番得をしたのは中国ですが、中国は自由貿易ではなく、戦略的に特定の分野で開国しただけです。一方日本は自由貿易のそれなりの優等生ですが、決して良くない。経済的に成熟した日本と新興国が競争すると、日本にはデフレ圧力がかかり苦しい戦いになる。
'11.1.21.朝日新聞・京都大教授・*1佐伯 啓思さん
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備考:第三の開国:幕末、戦後に続く劇的な開国過去2回の開国は、政治・経済・社会の大変革を伴った。「第三の開国」では、人、もの、カネの移動を自由にする「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への参加が念頭にある。貿易自由化だけでなく、国内農業の再生や、外国人労働者の受入れなど、争点は多い。