散歩道<4122>
 
                             争論・オピニオン・続・第三の開国(3)
                   (1)〜(4)続く
                   「内向き」は悪いのか・地域社会を損なうか・農業を強くできるか
                          内向きが続けば素通りされる

 例えば、意欲も能力もあるのに、親の介護のため仕事を辞めざるを得なかった女性たちです。あるいは週末、東京から北海道や九州に、身を削るようにして通う女性たちです。彼女たちは介護や家事支援をやってくれる人があったら、もっと能力を発揮できる。外国人が入って来たら不安だと言う前に、入れていないから悲惨なんです。 幸い日本の周りには「日本で介護や医療、家事支援に携わりたい」という人たちが大勢います。来てもらうだけでなく、日本で技能や知識をさらに学んでもらえば、お互いに得になります。そうやって戦略的、重点的に入れていくことです。
 それでは社会が変化してしまう、共同体が壊れてしまう、という見方は針小棒大ですね。日本は島国です。ヨーロッパのように大量の外国人が入ってくるのと同じにはなりません。むしろ私は地域の閉塞感やしがらみに風穴をあけたいのです。

'11.1.21.朝日新聞・東京大教授・伊藤 元重さん

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備考:第三の開国:幕末、戦後に続く劇的な開国過去2回の開国は、政治・経済・社会の大変革を伴った。「第三の開国」では、人、もの、カネの移動を自由にする「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」への参加が念頭にある。貿易自由化だけでなく、国内農業の再生や、外国人労働者の受入れなど、争点は多い。